“社会福祉法等改正法が成立” 誰も取り残されない地域共生社会へ
2026.07.07 07:00(2か月前) メディア掲載情報活動の記録 |川村ゆうだい
身寄りない高齢者守る
日常生活から死後事務まで
■公明、現場の課題踏まえ実効性追求

改正法のうち、頼れる身寄りのない高齢者らを巡っては、日常生活から入院・入所手続き、死後事務までの支援を行う事業を第2種社会福祉事業に位置付け、無料・低額で利用できる公的支援体制を創設する。これは、血縁や地縁が希薄化する中、これらの支援を介護支援専門員(ケアマネジャー)などが業務外かつ無報酬で対応せざるを得ない状況を踏まえたものだ。
また、包括的支援体制の強化として、小規模市町村や人口減少地域における高齢・障がい・児童などの相談事業の一体的な実施や、地域の実情に応じた人員配置基準の緩和を可能とし、サービスを維持できる柔軟な体制整備を後押しする。
介護の要であるケアマネジャーに関しては、5年ごとの更新研修を廃止して時間的・経済的負担を軽減。災害時の福祉的支援では、迅速な初動対応に向けて「災害派遣福祉チーム」(DWAT)の国による人材登録制度を導入し、平時からの体制整備を進める。
公明党は昨年6月、誰も取り残されない地域共生社会の実現に向けた単身者支援などを政府に提言。法改正を巡る国会審議でも、秋野公造政務調査会長や川村雄大厚生労働部会長(参院議員)、公明議員時代から積極的にこの問題に取り組んできた山本香苗・中道改革連合代表代行ら各議員が、死後事務などの支援制度における人員体制や財政面の確保など実効性のある制度設計に向けた議論を展開した。
その結果、小規模市町村での包括的支援体制構築への予算確保や、市町村への伴走型支援の強化などを明記した付帯決議も採択された上で、改正法が成立した。
■深刻化防ぐ予防的な支援必要
日本福祉大学学長・原田正樹氏
今回の法改正のうち、全国一律から転換し「小規模市町村」の枠組みを設けた点や、頼れる身寄りのない高齢者らの支援の法定化は、重要な前進と評価できる。
一方で審議のあり方や内容には課題も残る。八つの法律を扱う「束ね法案」として審議され、国民生活に関わる重要な議論が十分に尽くされなかった。また、社会福祉法第4条で地域共生社会の法的位置付けが明確にされていないことから、行政から住民へ支援の責任が押し付けられる恐れもある。具体的な制度設計はこれからであり、財源確保を含めて国は市町村との伴走支援を行わなければならない。
今後、各自治体には地域の実情に応じた支援を実行するための計画策定が求められる。特に、専門職が自ら心配な人たちの元へ出向くアウトリーチへの転換が重要だ。
同意が取れない地域住民への支援などを検討する会議が全自治体で設置が可能となったのを機に、問題が深刻化する前に早期発見・早期支援につながる、福祉における「予防」を確立できるよう、地方議会でも推進していくことが望まれる。

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