荒川第二調節池を視察

2026.07.27 21:25(2か月前) 活動の記録 |川村ゆうだい

荒川流域には、なんと日本の人口の約1割が暮らしています(!)。荒川の治水は、日本の中枢機能と多くの命を守る国家的な課題です。

本日、さいたま市内で整備が進む「荒川第二調節池」を視察しました。

荒川の治水の歴史は、まさに洪水との闘いの歴史です。

1910年、明治43年の大洪水では、埼玉県内だけでも死者・行方不明者347人、床上浸水約5万9千棟という甚大な被害が発生し、東京の下町にも大きな被害が及びました。この大洪水を契機に、荒川放水路の開削や上流部の改修、横堤の整備など、数十年にわたる抜本的な治水事業が始まりました。現在の首都圏の安全は、先人たちが世代を超えて進めてきた、遠大な計画の上に成り立っています。

ひとたび荒川が大規模に氾濫すれば、住宅への浸水だけでは済みません。鉄道や道路、地下空間、物流、医療機関、行政機能など、首都圏全体の暮らしと経済に深刻な被害が及ぶおそれがあります。

今回改めて強く感じたのは、東京都民の安全は、東京都内の対策だけで守られているのではないということです。

荒川第二・三調節池は、埼玉県内の荒川中流部に広がる河川敷を活用し、大洪水の際に水を一時的に受け止める巨大な「水の避難場所」です。その貯水能力は、八ッ場ダムとほぼ同量(八ッ場ダムもすごい。。。)。埼玉県南部と東京都区間を一体として守る、行政区域を越えた流域治水の中核を担います。

下流に流れる水の量を抑え、東京を含む首都圏の被害を軽減するため、埼玉県内で長期にわたり整備が進められていること、そのために地域の皆様の理解と協力が重ねられてきたことに、東京都選出の国会議員として深い敬意と感謝を感じました。

第二・三調節池が完成していれば、令和元年東日本台風の際、東京都北区の岩淵地点で荒川の水位を約30~40センチ低下させる効果があったと推定されています。洪水時の数十センチは、堤防の安全性を左右し、多くの人命と財産を守る大きな差になります。

現地では、一部が完成した囲ぎょう堤と第二排水門を確認しました。

調節池に取り込んだ水は、洪水のピークが過ぎ、荒川の水位が下がった後に排水門から川へ戻します。第二排水門は、遠隔で監視・操作できる仕組みが整えられており、豪雨時にも安全かつ確実に施設を運用するための工夫が随所に施されていました。

また、工事現場では、BIM/CIMによる三次元モデル、ドローン、ICT施工、デジタルツインなど、建設DXの活用が進んでいます。施工状況や危険箇所を「見える化」し、作業員と重機の接触リスクを減らすなど、生産性の向上だけでなく、安全管理と施工品質の確保にもデジタル技術が生かされていることを実感しました。

治水施設は、平時には、その役割が見えにくいインフラです。しかし、いざという時には、何百万人もの命と日常を守る最後の防線となります。

治水は、一つの自治体だけで完結するものではありません。上流・中流・下流が支え合い、河川整備、調節池、まちづくり、避難対策を重ね合わせる「流域治水」さらには、「かわまちづくり」を、さらに前へ進める必要があります。

気候変動による将来の降雨量の増加も見据え、荒川第二・三調節池の着実な整備と、完成後の確実な運用・維持管理に必要な予算、人材、技術を確保し、東京都民をはじめ首都圏に暮らす皆様の命と生活を守る防災・減災対策に全力で取り組んでまいります。

現場で丁寧にご説明いただいた関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

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